Q.破産と再生のどちらを選ぶべきですか

破産と再生との主な違い

会社を閉じるかどうか悩む時、「破産」や「再生」といった手続きが出てきますが、一般の方にはなかなか、その違いがよくわからないことも多いと思います。

2つの1番の違いは、会社を続けていけるかという点にあります。

破産」も「再生」も、どちらも負債を解消するための裁判所の手続きであることは同じですが、「破産」は、会社を閉じて負債から解放される手続きである一方、「再生」は、負債を圧縮して可能な範囲で返済を続けるようにしながら、再び会社を立て直すための手続きです。

破産と再生のどちらを選ぶべきか

経営者の方からすれば、会社を何とか残したいと思うのは自然な発想であり、可能であれば、「再生」を検討されたい方の方が多いと思います。

もっとも、「再生」を選ぶためには、継続して収入が見込めることや、債権者側の一定数の同意が得られることなど、いくつか条件があります。
会社によっては、こうした条件をなかなか満たすことができず、満たすことができても、かえって経営者の方々を苦しい状況に立たせてしまう場合もあります。
こうした場合には、現在の会社自体は、破産によって閉じたうえで、新しく事業を一からスタートさせるのも選択肢の1つとなってくるかと思われます。

特に「再生」の場合、「破産」と違い、一定期間までに圧縮した範囲の債務は完済をしなければならず、債権者の同意が得られる範囲でどこまで時間的な猶予を稼ぐことができるか、難しい判断を迫られることもあり、場合によっては、希望するだけの猶予は得られず、より短期での支払いが必要となることもありえます。

一方で「破産」の場合には、手続きを採ることで、直ちに借金が無くなっていることになりますから、これから先、返済をする必要は原則としてありません。

考える必要がある費用は、裁判所に支払う手数料(大規模な事件でなければ、20万円ほどで落ち着くケースが多いです。)と、弁護士に対する報酬だけであり、売掛金がある場合には、それらを代金に充てる方法も考えられるため、「再生」と違って、経営者の方々へのご負担や難易度が低く済むことは多いです。

このように、「再生」には「破産」にない、会社を続けられるという大きなメリットはありますが、利用には一定のハードルもありますので、どちらの手段を考えるべきなのかは、慎重に吟味をする必要があります。

弁護士にご相談いただければ、ご希望や詳しい状況も踏まえ、どの手段を考えるべきかのご助言もさせていただきますので、会社の立て直し方などをお考えの場合には、お気軽にご相談ください。

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